浄土宗神奈川教区テレホン法話 第736話

 さて、今年もスタートしました。今年こそはと色々と計画を立てたり、誓いを立てたりしていらっしゃると思います。ただ、その際一番肝心なことは、それをするのかこの自分だということを志れていないかという点であります。計画や誓い事がどんなに素晴らしく立派であっても、それをこの自分ができるんだろうかという事ですね。いやいやこの視点を無視してしまっていては、何も続けることはできないんです。お念仏のみ教えのうけとりもそこなんですよ。お釈迦様がお説き下さった教えはたくさんございますが、誰にでも平等に一人残らず救われるという視点、この私にできるかというその視点にスポットライトをあてたとき、きわだって光輝いてくる教えが、阿弥陀様におまかせし、お念仏をお称えさせていただくという教えなんです。どうも私どもは何におきましても、何とかなるんではと思ってしまうんですね。その思いあがった心がありあすと、なかなかお念仏のみ教えもいただけないであろうと思います。浄土宗をお開き下さいました法然上人も、くり返しおもいあがりの心をいましめお説き下さっているんです。そして常日頃おっしゃられていたお言葉の一つが「力及ばず」というお言葉ですよ。自分ではどうにもならない、どうあがいても力は及びませんという自覚ですね。この「力及ばず」というお言葉、大変重く意味のあるお言葉ですよ。知恵第一といわれたあの法然上人のお言葉だからこそ、ありがたいんです。尊くいただきたいと思います。年が変わろうとも、自分は相も変わらず罪作りでおろかな自分です。力及ばずと心にうけとめ今年も一筋の道を歩ませていだたきましょう。足元をまず見つめることです。

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