浄土宗神奈川教区テレホン法話 第773話
今回は、法事をお勤めになる時の心構えについてお話したいと思います。皆さんにとって法事とは、先立たれたご家族に対する壱周忌・三回忌・○回忌といった年回法要のことと思います。それでは法事を勤めるのはどなたでしょうか。或いは法事は僧侶に勤めてもらうだけのものであって、ご自分は受け身にまわっておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。法事をお勤めになるのは、まず、皆さん方であるということを念頭に置いて頂きたいと思います。
法事をお勤めになることの意昧は、皆さんが先立たれた方に対して、そのお人柄をお偲びし、感謝報恩の気持ちを込めてご冥福をお祈りするところにございます、また、追善回向とも申しますように、皆さんが真実・誠の心をもって善根すなわち善い行いをおおさめになる、その報いとして生ずるところの功徳を先立たれた方にふりむける、これが追善回向です。では、どうのようにしてと申しますと、浄土宗では「南無阿弥陀仏」と声に出してお称えするところにございます。私たちが真実・誠の心をもって「阿弥陀仏様のお慈悲のみこころにお従い致します」という思いを込めて「南無阿弥陀仏」とお称えする時、そこには大きな功徳が生ずるところであり、その功徳、私たち頂戴させて頂くことができるとともに、先程申し上げましたように、追善回向というかたちで先立たれた方にふりむけることも出来る訳で、このことが法事をお勤めになることの大きな意味と言えましょう。
皆さんがこのような心構えのうちに法事をお勤めになられた時、先立たれた方は、皆さんのそのお心をしっかりとお受け止めになられ、必ずやご安心せられお喜びになられることに違いありません。