浄土宗神奈川教区テレホン法話 第777話
十夜法要
私の寺では、毎年11月1日に十夜法要を行います。
10月に入ると、まず本山の十夜法要があります。12日から15日まであります。
それが終わると、各寺院の十夜法要が始まります。
十夜法要は、普段の法要と少し傾向が違います。お施餓鬼法要でも、春秋の彼岸法要でも、住職がほぼお勤めをする法要です。しかし、十夜法要は僧俗一体となり、お勤めをする法要です。
当日随喜寺院を迎え、時間になると本堂に出て行きます。お稚児さんも所定の位置につきます。大きんが鳴り、香偈を称えます。引声念佛を称え終わると、お稚児さんの献菓です。下陣では、ご両親やご家族が、8ミリビデオやカメラを持ち写します。まだ子供なので所作がうまくできません。そして行道が始まると、皆さんが散華を取りに来ます。お念佛の後には、鏡はりと太鼓です。お檀家さんに撞いてもらっています。この六字詰念佛を終えると、お十念をお称えして終わりです。
この法要を厳修するには、準備もたいへんです。本堂の入口に幕、内陣に五色幕を張り、回向柱を立て、善の綱を張り、お供物等をお供えします。お稚児さんの所作も練習します。僧俗一体となってお迎えします。
私の寺のお十夜が済むと、組寺のお十夜の手伝いです。各お寺ごとに回ってきます。組寺の法要は年末まで続きます。
十夜法要は京都の真如堂から始まりました。観誉祐崇上人が鎌倉の光明寺で引声法要を始めてから、約500年の歴史があります。
この十夜法要を絶やすことなくより一層充実したものにし盛りたてていきたいものです。