浄土宗神奈川教区テレホン法話 第778話
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす。奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
この語りは平家物語のはじめに出てくる言葉ですが、私たちは諸行無常という、もろもろの行いは実にはかないものであり、いのちさえ過ぎてみますと一瞬の夢のように感じます。しかし朝、ほんの少しの間しか咲かないけれど、美しい花をみせてくれます朝顔のように、私たちも与えられた、ただ一度のいのちを精いっぱい咲かせたいものです。
私たちの一生は出会いの一生と言われますように、み仏との出会い、善き人々との出会いにより、人としての在るべき姿を学んでゆきます。
現代は感謝の心が薄く自分本意の考え方をする人が増えてきました。ですから今こそ仏の教えが必要なのです。まず私たちは大きな恵みの上でくらしているのですから、感謝の心を起こし、そして合掌の姿でその心を表します。
合掌の姿こそ何にも勝る美しい姿なのです。