浄土宗神奈川教区テレホン法話 第822話
皆さんどうですか。幸せになりたいですよね。いい思いをしたいですね。
自分から悩んだり、苦しんだり、病気になりたいなんて思う人は一人もいないんです。
でも、思い通りになってくれないのがこの世の中です。辛いことです。でもこのことに気づいたときこそ、チャンスなんです。
自分を知ることの中で、自分の力ではどうしようもない、み仏にすがるしかない自分であることを知るということが最も重要なんです。
この自覚こそが、幸せへの出発点となります。
何故、ダメな自分を知ることが、幸せへの出発点なのか。『自分が、自分が』という自我の驕りのあるうちは、ダメなんですね。謙虚さに欠ける気持ち、物事を受け入れる素直さがないということが、み仏の救いの手を知らず跳ね除けてしまうんです。
愚かな力のない自分を、知れば知るほど、み仏さまに心の底からお任せしなければならないという気持ちが湧いてきます。ここが最も大事なところです。
すべてをお任せしたときに、み仏さまの救いのみ光がパッと差し込んでいることに気づかせて戴けるのです。有り難いお導き、お救いが自分の身に働いてくるのです。
自分を照らしてくれる明るい光によって、勇気が湧き、生きる希望が見えてきます。謙虚に、驕りを捨て、み仏さまにお任せし、南無阿弥陀仏とお念仏することが、幸せへの第一歩なのです。
お釈迦さまがこの世にお出ましになられた理由は、「苦しみ悩む皆さんが南無阿弥陀仏と唱えるお念仏、お念仏によって、必ず救われますよということを、私たちに教えるためである」とお経にあります。
どうぞ、この時代、お念仏を真剣に唱え、少しでも心の安らぎをいただこうではありませんか。