浄土宗神奈川教区テレホン法話 第828話
浄土宗の法要の中では、木魚などを使い、必ず南無阿弥陀仏のお念仏を申します。皆さんもお耳にしたことがあったり、ご一緒にお唱えしたこともあるかもしれません。その部分を「念仏一会」といいますが、そのお念仏を申す前に必ず「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」。という偈文をお唱えします。その偈文を「摂益文」といいまして、仏様のお解きになった浄土宗の大切なお経、「観無量寿経」の中の一節であります。訓読をいたしますと、「光明はあまねく十方世界を照らして、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」。となります。阿弥陀様の無量のお慈悲の光はあらゆるすべての世界を照らしていて、そのみ光に気づき、お念仏を唱えるわれわれ衆生を阿弥陀様の世界、すなわち極楽浄土に救いとってくださり、そこからお出しになることはありません。
阿弥陀様のみ光は、すでにわれわれのもとに届いているのです。大事なことは、そのみ光に気づくことでありましょう。そして気づかせていただいた上で、阿弥陀様に全てをおまかせし、心から救われたいという気持ちをおこして、南無阿弥陀仏のお念仏をお唱えすることです。まさしく「時は今」です。お念仏をお唱えしましょう。阿弥陀様の光はすでに届いているのですから。