浄土宗神奈川教区テレホン法話 第840話
自然を友として
この世における、すべての生きとし、いきるものは、もとより、取り巻く自然環境も春夏秋冬と変化をします。
これを、佛教では、諸行無常といっています。
ところが人は、その自然環境にさからったり、不平不満をいいます。
今年も、記録的な暑い日々がつづきました。
そのために、人々は暑い暑いといって太陽に不満をぶちまけ、涼しさをもとめ、冬になると寒い寒いといって逆にそのような太陽をもとめたりします。
そのような自然に対し私たちはわがままです。
又今年は台風も特に多く、九州、四国、新潟では大雨がふり、大きな被害をもたらしました。
10月にも大雨がふりました。
このように、人々は自然環境の摂理とむかいながら、何百万年前から生きつづけてまいりました。
今年も早や11月に入り、暑さもなくなり、台風もこなくなり、落ち着いた生活にはいりました。
お米の収穫も終わり、今年も不平不満をいだきながらも無事にすごせるようです。
このような自然と闘い続けながら人々はいかされてまいりました。
人々はこの11月を迎えると、よく生きてきたと潜在的に意識するようになり、次に私たちは一人では生きてこれなかったと、自然、家族はもとより、すべての人々のおかげであると考えるようになります。
今までいろいろなむずかしいことがたくさんありました、それ故、有難うという言葉が理解されるのです。
そのようなことから、11月は感謝の月です。
感謝の行事としておこなわれるのが、文化の日、十夜、七五三、勤労感謝の日と沢山の行事がおこなわれます。
七五三は親が無事にすごせたように子供も無事に育つように願うことです。
親の背中をみて子供が成長する諺のように、自然の脅威にたち向かう親をみて、子供達も成長します。
十夜は私たちを護ってくれた阿弥陀様の讃歎のお礼の法要です。
勤労感謝の日は農作物が自然の恵みにより、我々にもたらしてくれた事を感謝すると共にすべて勤労そのものの有り難さ、尊さを顕揚せんがために祝日が設定されました。
11月が過ぎれば寒い冬にはいります、この良き日々を得たのは、自然の力であることを認識し、自然は恐ろしいものではない、よき友であるとして対処すべきです。