浄土宗神奈川教区テレホン法話 第846話
浄土宗をお開きになられた法然上人は、西暦1212年正月25日に、80才でお亡くなりになられました。
亡くなられる2日前の正月23日に、弟子の源智上人が、お念仏の要点を給わった一文が、浄土宗では大切にされています法然上人のご遺訓であられます「一枚起請文」であります。
短い文ではありますが、お念仏の御教えが凝縮されております。
その中には、「智者の振る舞いをせずして、唯一向に念仏すべし。」と示され、ありのままの私が、先ず、お念仏をお称えすることが肝要であることを説かれています。
さて、先日、心理学を専門とされています加藤諦三先生の書かれた「行動してみることで人生は開ける」という本を読みました。
この本は、シラケ世代、無関心に生活している人へのメッセージであり、「先ず、行動してみることによって、その人の人生が開けていくのです。」という内容でした。
その中に「何かをやること、やり続けること」また「やれることからやってみる」などという事が冒頭に書かれています。
無気力な人は、行動を起こすまでに、あれこれ考えて、「こんなこと無駄なことだとか、到底自分には出来ない。」などと考えて、最初の一歩を踏み出せないでいる。
もしも不機嫌に苦しんでいる人は、先ず下駄を履くことからはじめてみよう。
下駄を履いたら少しぶらぶらしてみよう。
目標などは持たなくてもいいのである。
それがやがて少し先の公園まで足を伸ばすようになってくる。
歩いて帰ってくると、体も快調になって、食欲も出るし、夜もよく眠れるようになってくる。
気がつくと不機嫌がなおっていることに気がつく。
先ず、出来ることから行動してみることである。
というような内容が書かれていました。
法然上人が、「ただ一向に念仏すべし。」と示されたお言葉も「先ず、お念仏を称えなさい。」ということです。
こんな罪深い私が阿弥陀様に救われるのか、お念仏だけ称えていれば本当に救われるのか、そういう事を頭で考えているのではなく、先ず、お念仏をお称えしなさい。
先ず、行動してみるということです。
信じられないで悩んでいる人であっても、お念仏を続けていれば、必ず阿弥陀様は救いとってくださるのです。